「手応えのない対話」を変える:相手の心を開く会話術
「何か良いサービス、ありませんか?」→「一度持ち帰って検討します」
「最近、どうも仕事に身が入らないんです…」→「もう少し自分で考えてみます…」
こんな漠然とした言葉に頭を抱えたことはありませんか?質問を重ねるほど相手の心は閉ざされ、会話は"尋問"のようになってしまう…。
この記事では、営業や上司として成果につながる「会話の設計図」をご紹介します。
良かれと思ってやっているよくある失敗
営業場面での失敗
「何かいい車、ないですかねぇ」という漠然とした質問に対し、矢継ぎ早に質問を投げかけるほど、お客様は「一度持ち帰って検討します」と心を閉ざしてしまいます。
上司と部下の場面での失敗
「最近、仕事がうまくいかなくて…」という相談に、具体的な情報を引き出そうとすればするほど、部下は「もう少し自分で考えてみます」と逃げてしまいます。
問題の本質は、私たちが「質問」を「情報を聞き出すための道具」だと勘違いしていることにあります。本当に成果につながる質問の役割は別にあるのです。
相手の心を動かす4つの会話技術
聞く準備を整える
他愛もない雑談で場の空気を温め、「いくつか質問してもいいですか?」と相手に心の準備をしてもらいます。
オウム返しで思考を発散させる
「なるほど、今のお車が古くなってきた、ということですね」のように相手の言葉を繰り返し、安心感を与えながらオープンクエスチョンで思考を広げます。
「なぜ?」と「例えば?」で掘り下げる
「そもそも、なぜその見積もりを作っているんだっけ?」「例えば、どのくらいの広さでしょう?」と問いかけ、相手自身に本質的な課題に気づかせます。
あなたの言葉で要約して確認する
発散した情報を整理して「ご要望は大きく4つあるかと思います」と要約し、相手に「まさにそれが言いたかった!」と感じてもらいます。
これらのステップを踏むことで、相手は「この人は本当に私の話を聞いてくれている」と感じ、心を開いて本音を話すようになります。
まずは「10秒、待つ」勇気から始めましょう
「バーバルパッケージ」の全てを一度に実践するのは難しいかもしれません。まずは最も重要なことから始めてみましょう。
次にお客様や部下との会話で沈黙が訪れたら、慌てて次の言葉を探すのをやめてください。代わりに、相手の目を見て、ゆっくりと頷き、心の中で10秒数えてみるのです。
相手が黙っている時間は「考えている時間」です。この貴重な思考の時間を奪わないことが、一方通行だったコミュニケーションを変え、相手の心に眠る本当の言葉を引き出す大きなきっかけになります。
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